Lovelyとかいうサイトから見えてきた広告マネタイズの現実
ずっとレコメンドウィジェットの広告枠に出てくる広告の内容(LPも広告クリエイティブも)について、業界の端っこの人間として、どげんかせんと!と思っていたんですよ。
そしたら、popinさんが宣言みたいなものを出してて、「うーん。本当かな?だってレコメンド枠の中でもひどいpopinでしょ」とか思ってたわけですよ。
note.com
んで、ついに5月25日。ずっと気になってたんで朝起きて布団の中で確認したらキレイになってて感動して思わずツイート。
popinの広告確認した。自社広告多めだけど、昨日まで出ていた「今までの」popinの汚い広告は一切無くなっている。素晴らしい!全媒体社、レコメンド枠はpopinに張り替えるべき。まずは記事下にいっぱい置いているレコメンド枠の一番上へ!popin応援したい。 pic.twitter.com/NAyECslij0
— Web人 (@webjin1) 2021年5月25日
結構、いいね!をいただいたりRTしてもらったので、改めて先日新規上場が決まった「株式会社コンフィデンス」さんの目論見書をみてたら、めちゃくちゃ面白かったし、色々と考えさせられたので、久々のブログ投稿です。
2020年3月期(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)で全体の6%の売上しかなくて、子会社で細々とやっているメディア事業を繰り出してしっかりと色々と報告してくれているので1つ1つみていく。
そもそもメディアってどれ?に関しては、基本的に以下らしい。
lovely-media.jp
よくわからないが、一昔前に流行ったようなコンテンツSEOを中心とした、クラウドソーシングで記事を量産していく感じのメディアという感じ。
どんな体制でやってるのか
これをみてもらえればと思うが、4名で子会社のみでやっている。
子会社というのは、買収をした株式会社ドルフィンという会社。
さらに、以下なんかをみると、原価が19,872千円なので、まぁサーバーと記事を外注して毎月160万円ぐらい使っていたイメージ。
順調だった2020年3月期
まず、これをみてくれ。
月間PV平均が1,368万PV。ということは年間で1億6,416万PV。
結構な規模まで成長している。
そして売上が約1.5億円!利益が2,400万円ですよ!しかもこれ4人でやってるんだぜ。
RPM計算すると900円。
やっていること自体は正直、大した事やってないのにコレ。
そりゃ、全く異業界の株式会社コンフィデンスさんもいいね!凄いじゃん!って買収したくなるわな。
順調にいかなかった2020年5月から
そんな調子が良かったLovelyに悲劇が!
これも業界ではよく聞く話だし、当然でしょという気もするけど、Googleの検索アルゴリズムアップデートで叩き落される!
これは(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)なので、9ヶ月の実績。
PVはどれぐらい落ちたのかは書かれていないけど、「大幅に減少」って書いているので、相当下がったんだろうな。※これについては「ん!?」となる箇所は別途ある。
その結果、売上は5,200万円。単純にこのペースで1年間に換算すると、6,933万円なので前年比で50%減。
利益はもっとひどくて、700万円なので933万円が1年間だとすると、60%減。
もう目も当てられない状態。。。
その結果、未償却残高を全額減損する始末。その額4億6,000万円。
絶好調でも利益2,400万円だったとは言え、検索エンジンリスクを読めずに大きな損失となってるわけです。
記事広告とか、コンテンツ納品頑張るって言ってるけど厳しいでしょうね。
え!急激に収益性落ちてますが、、、
そんな中でも本当か!?と思うことが。
月間で1,900万PV!?
それって去年の全盛期時代に1,386万PVだったけど、Googleに順位を大幅に落とされたけど、1,900万PVまで増えているの?
もしこれが本当だとすると、以下の可能性が考えられるけど、どうなんだろうなー
- Lovely以外のメディアで巣ごもり需要で急激にPVが増えた
- この占いサイトだけど、、、ホントか?
- 目論見書にある通り、検索エンジンに見切りをつけて、SNSからの流入に大成功した
- Twitterのフォロワー2万しかいないけど、、、
いやーホント謎だ。
1,900万PVが本当なら、RPMが303円なので1/3にまで下がっているけど大丈夫かな。
Lovelyはどうやってマネタイズしているの?
ぜひ、スマホでサイトをみて欲しいが、まずHeaderBiddingを入れていそう。
広告枠の質と量が本当にひどい。
- インタースティシャル
- 上部に300x250のレクタングル
- そして、オーバーレイが50pxが2つ並んでいる
- これはじめて見た
- コンテンツの途中にも複数の広告枠
- 下には安定の不快感たっぷりのzacksとtaxel
中身もやりたい放題でアダルト電子書籍と不愉快コンプレックス商材のオンパレード。
これだけやってRPM300円って、900円の時、何だしてたの?って気持ちになる。
(とりあえず、レコメンド枠をpopinに変えたほうが良い)
ここから見えてきたこと
なんかとても悲しい気持ちになったけど、やっぱりコンテンツSEOをメインとした検索エンジン依存のメディアはある日突然落とされるリスクがある。
あと、popinを入れると儲からないから媒体社は入れづらいとか言っている人がいたけど、コンプレックスゴリゴリのレコメンドウィジェット出してRPM300円だからな。
だからメディアをやっている媒体社は何をしないといけないかというと、本質的にユーザーが欲しい情報を提供しようぜということ。そこにユーザーが定着すれば手売りで純広も入ってくるよ。検索エンジンをハックして連れてきた一見さんばかりのメディアに純広は入らないよ。
マネタイズも大事なんだけど、ユーザーのことをないがしろにしすぎじゃないですかね。
自分が広告を出す側の立場だったら、意味不明な広告で画面が専有されている枠に出したくないけどな。逆効果になるので。
そこから考え直し。